第5話「ひとのちから」
初見時はラスト3分までかなりきつくそこからアムールトラさんとかばんさんで一気にひっくり返された印象でした。しかし後述の視点に基づいて改めて見直すとメリハリもあり、アニマルガール達のわちゃわちゃした感もあり逆に楽しめました。そしてラスト3分は考察要素満載。スケッチブックの絵はどこか不自然です。ジャングルにりんごの木はないはず。背景はゴリラのイメージで描かれた印象を受けます。さらに後に出てくる台座の場所は木々がうっそうとして絵とは全然異なります。りんごの木と人物のいる台座は絵の技術が異なっていて明らかに台座のほうが上手。2人で描いた可能性もあるんじゃないでしょうか?
また土台の上にいる人物は後に出てくるゴリラさんと共通点もありますがちょっと違うような。
ゴリラさんが登場したときはついにヒトが登場したと思いました。ネクソンフレンズのゴリラさんとは違うなーと思っていましたが、Twitterでゴリラ好きなファンの方が話題になって知りましたがネクソンフレンズとは違う種との事でありかなり再現度が高いとのことで、改めて見直すと色々納得です。
また「動物たちを操る方法」を知りたいなら何度か会ったそのヒトに頼めばいいと思ったのだけれど、そうしていないのは実際には目撃するくらいでキュルルちゃんのようにしっかりと話したことがなかったのかも知れない(ヒトと直に交流したことはないのかも)。帽子の羽をみてヒトと確信したみたいだしヒトと頻繁に交流があればこんな反応はしないかなと。
キュルルちゃんがジャングルグループ4人に怖さをアピールしているシーンはもはや狂気を感じました。制作陣はマジでこれが怖いと思ったのかと本気で思いました。後で考えてみれば視聴者に4人と同じ感覚を体験させるのが狙いだったのかも。
また紙相撲も最初見たときは子供だましに見えてどうにかならなかったのかと思いました。が、実はこれ、キュルルちゃんは普通の子供の発想で紙相撲を思いついたのだと考えるととても自然な展開だし、その前の「ぶるぶるぶるぶる」のシーンも子供が精一杯怖さをアピールしている姿で自然に見えてきました。
そう考えると第2話から第4話までの各話の流れも普通の子供が普通に遊びを考え付いてアニマルガール達と遊んでいる訳で、2としてはジャパリパークに遊びに来た子供が各地でそこに住んでいるアニマルガール達と遊んで交流するのが主軸にあるように思えました。
逆に1期は見た目は小学生くらいの子供が、初めて遭遇する戦闘で冷静に状況を判断・行動し、何のアドバイスもなく崩落した橋を(洪水で流されないよう考慮して)浮き桟橋で架けなおしたり、各々のアニマルガールの特性を短時間で見極め適切な分業を采配したり、対立する集団を取り纏めるため陽動作戦を行いながら透明になれるアニマルガールを斥候にして城に潜入することを考案するなど、大人並の知能が必要ですよね(ミライさんorカコ博士の髪の毛から生まれたから知能も大人並みという設定なのかもしれませんが)
まあ紙相撲の土俵に最適なある程度の硬さがある紙箱はどうやって調達したのかとか、短時間でキャラの絵を(結構しっかりと)描いて左右対称に切り抜くことが出来るのかとかツッコミしはありますが。
サーバルとカラカルがアニマルガール4人を圧倒するというのは異常に強すぎるように感じた。第7話のサーバルちゃんもそうなんだけど現状理由が分からないまま異常に強すぎてどこかしらけてきます。
アムールトラさんが登場したときジャングルのグループの反応は拍子抜けでした。ゴリラ親分はやるときにはやる姿勢を見たかったし、またイリエワニさんは元の動物は攻撃的な性格らしいのでアムールトラさんと戦ってほしかったので残念でした。先のサーバル・カラカルコンビがジャングルグループをねじ伏せる具体的なシーンはなかったし、あえてアニマルガール同士が戦うシーンは入れないようにしている?
またサーバルちゃんが紙飛行機を見つめていたのは、1期第11話の記憶で無意識に反応していたのでしょうか。
アムールトラさんは第1話でキュルルちゃんをセルリアンから救ったり、研究センターに入ったダブルスフィアを威嚇したり(つまり以前からサンドスターの入った物体を守っていた可能性がある)、ジャングルエリアまでキュルルちゃんを追ってきたり、キュルルちゃんを傷つけるのではなく見つめていた所からするとキュルルちゃんを知っているというか、かつて親しかったんじゃないだろうか。かつてキュルルちゃん(というかスケッチブックの持ち主)がジャパリパークに遊びに来たときに仲良くパークを巡っていたとかそんな関係なんじゃないかと。
ただ後述のキュルルちゃんにはセルリアンを引き寄せる要素があるとすると、アムールトラさんもそれにより引き寄せられた可能性も否定できません。アムールトラさんが紙飛行機について行ったのは1期の黒セルリアンの走光性に由来していると思われ、セルリウムを取り込んでいる可能性があるのではないかと思うので。
第6話「あたらしいあさ」
考察要素満載でした。見る前はよくわららないサブタイトルでしたが、それぞれの新しい朝であったのだと。第6話は遊びはありませんでしたが、海中のサンドスターの存在を証明する流れは夏休みの自由研究的な交流を描いたのだと思いました。かばんさんが名乗るときに一呼吸置いて「かばん」と言った時には色々な思いがあるんだろうなと。後ろにいるサーバルちゃんにかつて一緒に旅した相手と重ね合わせ、もしかしたら自分を知っているんじゃないか?(でもその相手は既にいなくなってしまったことを意味するわけで)。そんな心理描写がよく出ていると思いました。
かばんさんの「お家」は小規模な資料保管&展示施設みたいなところ?円柱状のものは標本の展示装置みたいだし、居間として使っていたのはエントランス?
引き出しの中にLBのAI部分が多数あるのは胴体部分が損壊して使用できなくなったLBのAI部分だけを回収したためなのか、このLBの数だけジャパリパークの各地を旅したという証なのか。
居間で妙にくつろいでいるカラカルさんがいい。カラカルさんはそのしぐさに性格が良く出ててみてて飽きないです。
サーバルちゃんを見るかばんさんはどこかにかつて共に旅したサーバルちゃんを見ているんだろうな
ビースト状態アムールトラの手首に鎖がついているということは人間がビーストをコントロールしようとした頃から生きている→人間がいなくなってから時間的にそれほど経過していない、もしくは(コントロールできない)ビーストが出現する地域は放棄されているだけかも?第1話に出てきた施設は随所が破壊されているのに対してこの施設はほぼ無傷なのはそのせい?
地図上のセルリアンが発生した地点は海中で発生したセルリアンが見つかる場所にしては比較的内陸部にも印があるように見えるので縮尺が小さい地図の可能性もありますね。
食事の時にセルリアンに食べられたフレンズに触れるシーンは、かばんさんが共に旅していた相手に起きたことを連想させる。なかなかきついです。
三者三様の寝相が興味深い。特にカラカル(笑)
博士たちが音もなくキュルルちゃんの傍に現れたのは、フクロウの羽音を立てず飛ぶ特性を上手く利用していると思います。博士と助手が翼を広げて羽ばたいて移動しているのは良かったです。ただ完全に広げてほしかった。
「海のご機嫌」こと巨大セルリアンは戦艦か何かの形をコピーしたものだろうけど鰭が生えていたり下部の丸い物体(これはバルバスバウ(2019/03/26訂正)かも知れない)があったりと、複数のものが組み合わさっている様子ですがあんな鰭を持つ動物って何だろう?
ビンに入ったセルリウムが活性したきっかけはキュルルちゃんが手に持ったせいだとしたら、キュルルちゃんはセルリアンを引き寄せる何かの要素(輝き?)を持っているせいかも知れません。第1話-第3話のセルリアンはキュルルちゃんがいた所に出てきたし(「海のご機嫌」セルリアンはカリフォルニアアシカさんのおかげで事前に回避できた?)、第5話ではセルリアンの性質を持つと思われるアムールトラさんが追いかけてきた。
セルリアンとのバトルシーンはもう少し迫力がほしかった。サーバルちゃんがセルリアンに飛び乗って粉砕するシーンはもっと強敵を倒すような緊迫感が欲しかったです。
かばんさんがキュルルちゃんに渡したLBは1期のLBと同一なのだとしたら、かばんさんは(サーバルちゃんと)キュルルちゃんの旅にかつての自分を重ね頼れる相棒を供させたのかもしれない。(ストーリー終盤への伏線?)
ラストシーンのカラカルさんとかばんさんの会話は第7話の見所でした。カラカルさんの質問でサーバルちゃんの記憶に自分がいることに気づいたかばんさんの気持ち(冒頭で名乗る時に一呼吸置いた間がここで生きてくる訳で)は想像に難くないです。まあここは見る人にもよるんだろうけど。
気になったところ
- エンディングラストの3人はちょっと不気味なのでどうにかしてほしかった。
- ジャングルLBはメガネカイマンが持って逃げたのにキュルルちゃんのカバンから出てくるのは辻褄があっていないと思います。
第7話「すぴーどのむこう」
話のテンポもよくメリハリもありアニマルガール達のわちゃわちゃ感もあって面白かったです。キュルル一行が一癖あるアニマルガール達の厄介ごとに巻き込まれてしまう所はネクソン版アプリのストーリーをどこか想起させて、考察要素もほとんどないように思え純粋にけもフレを楽しめました。
チーターさんは表情がカラカルさんと同じくらい豊かだった(今回はキャラの眉が特に良く動く印象がありました)し、ストレートな性格で高飛車だがすぐにヘタレ気味になる感情表現も良かったと思います。
カラカルさんはオオミチバシリちゃんとの癖のあるキャラ同士の掛け合いが良かった。今回も表情がよかった。
オオミチバシリちゃんは鳥類だから飛ぶというのは間違いではないんだろうけど、このキャラについては走って欲しかったです。
プロングホーンさんはネクソン版アプリでも影が薄いキャラだったので登場した時は(デザインもかなり変わっていて)びっくりでした。
ストーリーもキャラもよかったのですが演出、とくにスピード感が感じられないシーンが多かったです。サブタイトルから想像するにスピードを極めたその先にあるもの(ここでは友情?)が描こうとしたと思うのですが、その極まったスピード感があまり感じられませんでした。
冒頭のチーターさんが迫ってくるシーンは猛スピードで迫ってくる感じがあまりありませんでしたし、チーターさんとプロングホーンさんの二人が競争しているシーンは100km/h近くで走っているとは思えないです。本当に「かけっこ」にしか見えなくて迫力がありませんでした。ただ2人が急ストップする時にそれぞれ異なる体勢で停止したのは良かったです(チーターさんはこの後のシーンでもあまり止まるのが得意でない演出がなされていてここは良く見せているなと思いました)。
カラカルさんとオオミチバシリちゃんが競走しているシーンでカラカルさんが小ジャンプを繰り返していましたが、第1話のナショジオの動画でもの凄いジャンプをしていたのだしあれくらいジャンプしてオオミチバシリちゃんを驚かせるような演出がほしかったです。まあここは2人の喧嘩がメインではありますが・・・。
チーターさんがバトンを受け取った後のダッシュのシーン、ここはスピード感がありました。終始こんな感じであればよかったのかなぁと思います。
チーター「頼んだわ!」サーバル「頼まれた!」、プロングホーン「ここまでか・・・」チーター「ここからよ!」といった掛け合いは好きです。
トラクター型セルリアンを急ターンで引き離す作戦は良いアイデアでしたが直立のままターンしたのが本当に残念。第7話の一番の見せ場だったのでもっと臨場感のある迫力のシーンを見たかったです(重心を内側に向けたり、尻尾を外側に振ったり(チーターはターンの際に尻尾を使っていたはずなので))。またセルリアンが曲がりきれずに派手に横転するところももうちょっと迫力がほしかったです。その前まで迫るセルリアンに迫力があっただけにちょっと残念。
このセルリアンのコピー元になったトラクターはなぜ道のど真ん中に鎮座していたか?普通は道路脇などに横転していたり、トレーラーなども外れていると思うのだけれど、もしかして今の今まで誰かが乗っていてキュルルちゃんがきっかけでセルリアンが出現したのかも(乗っていた本人はどこかに退避)。
最後にキュルルちゃんが3人に渡すスケッチブックの絵の違いですが以下のどちらかじゃないかと想像しています
- キュルルちゃんの表現力が最初に描いた本人より優れていた
- ただ単に速いアニマルガールの競走を描いただけから、今回実際に交流したことで競い合う2人のフレンズとして見る様になった
サーバルちゃんについて
- いわゆる1期の「けもフレ語録」みたいのは個人的に好きではないのでしつこく出てくると次第にイラっときます。また霊長類のように木の枝を跳ねてわたっていくのは流石に無理があるように思えました。他のアニマルガールを凌駕するような異常なほど強さは、動物たちのそれぞれ得意なところをみせるけもフレのテーマを崩しているように思えますが、これは何かの伏線なんでしょうか。
- あとセルリアンを粉砕(パッカーン)する際、あまりハイパワーでなく普通にパンチしている様に見えてしまう(ここも迫力がない)。セルリアンの胴体が凹むなどした方がパワーを出してパンチしているのを実感できるんじゃないかと思いました。
非常に細かいところですが、辻褄が合ってなくて気になる点
- チーターさんの掘った溝が次のカットで消えている。
- オオミチバシリちゃんが上空から湖をみた時は広場があるが2人は崖の手前でストップした。
- プロングホーンさんが転んだ木の根が次のシーンで消えている。
- リレーのスタート地点の木の陰とキャラの陰の落ちる方向が一致していない。
- リレーコースの全景が映っていたがコースが長距離なのか中距離なのかよく分からない。コース後半の林で遠近感を見るとずいぶん遠い(1km以上)ように感じるが、その割にはスタートから一番遠い地点の道がはっきり見えていてせいぜい200mくらいなのかとも思えてくる。
7話までを視聴して
各話のストーリーは面白かったしメリハリもありテンポもよかったです。個性的なアニマルガールがワイワイやっている感じは凄く好きです。一方でテーマとしての「家」はあまり感じられませんでしたが、各話で明示的に表現するのではなくストーリー全体で表現する形なのかなと思いました。細かい点ですがサーバルちゃんやカラカルさんのけも耳がピクッと動いたり少し垂れたりして(私の見間違いではないはず)、(細かく動作を入れる事で)飾りになっていないのはけもフレらしくていいなと思います(個人的にポイント高いです)。
最後に、ここまで通して視聴して1期の設定の流用が多い印象でした。ダブルスフィアのアラフェネ的ポジション、第5話のゴリラ親分とその部下達、第6話の助手と博士と辛い料理、第7話のプロングホーンさんの性格も?
ファンサービスの一環なのかもしれませんがあまり多すぎると1期の焼き直し感が強まってきているように感じます(もちろんほんのごく一部とは理解していますが)。制作上の制約も多々あるのだとは思いますが、アニマルガールは400種以上もいるのに同じキャラを使用するのは他の魅力的なキャラの登場機会を奪ってしまっているようで勿体無いなと感じました。
また第6話のかばんさんがLBをキュルルちゃんに渡すシーンは物語的な意味のほかに、2制作陣からのメッセージも含まれているように感じました。もしそうであれば2制作陣の「けものフレンズ」を見せてほしい、そう思いました。
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